2013年5月 5日 - 2013年5月11日

　開業から３年目の終わり頃、現在コンシェルジュとして活躍している三宅さんが、受付スタッフとして勤務を開始しました。
　３年目までは、診療の予約も、それ程埋まっていなかったのですが、４年目からは、さらに新規の患者様が増え、それまでの倍以上の患者様が来られるようになり、いつの間にか混み合う医院になってきました。
　これには、まじめに診療に取り組んできた事が、徐々に信頼されるようになってきた部分もあるかもしれませんが、三宅さんの力による部分も大きいと思っています。と言いますのも、私は元来口べたで、治療の説明以外には患者様とお話する事がほとんどないのですが、三宅さんは明るく人懐っこい雰囲気で、患者様とすぐに打ち解け、それだけではなく一人一人の患者様の事をよく覚えています。治療の料金説明などを担当してもらっていても、いつの間にか笑い声などが聞こえてきます。三宅さんの人柄を信頼して当院を選ばれた患者様も、たくさんおられるように思います。今では、矯正治療の事についても大変詳しくなり、私の欠けている部分を補ってくれる重要なパートナーとして、またスタッフのチーフとして、クリニックに欠かせない存在です。

　開業後は、突然院長になって、うれしかった反面、思いのほか苦労の連続でした。
　開業当時、矯正治療については、それまでにある程度経験も積んで、それなりに自信もありましたが、開業は突然の話で、なおかつ緊急の話でもありましたので、経営に関しては何の知識もなく、非常にたよりない状態でした。
　ちゃんとした矯正治療を普通にやっていれば、それなりにやっていけると思っていましたが、まったくそんな事はなく、初年度は新規の患者様が今の１０分の１程度しか来られず、休診日に勤務していた他の歯科医院からの給料を足してもマイナスになる程の赤字で、ある程度公庫から借り入れをしたにもかかわらず、１年後には資金が尽きかけて、どうしようかと思いました。
　その後、２年目には、１年目の倍、３年目には、２年目の倍と新規の患者様が増えていき、ぎりぎりのところで、なんとかなりましたが、それでも２年目でも赤字、３年目で少しだけ黒字ぐらいで、他の勤務先からの収入で生活していました。

今年に入ってホームページをリニューアルし、ブログを始める事になりました。
自分の仕事について、日々考えている事などを、患者様にお伝えしていければと思います。

　まずは、あらためて私の仕事の経歴について簡単に紹介させていただきます。
　平成７年に大阪大学歯学部を卒業後、３年間歯科矯正学講座に在籍し、歯学部付属病院の矯正科に勤務しました。ここで、矯正歯科学について専門的に学び、矯正歯科治療の基本を身につけました。
　大学での研修課程を終了後、矯正歯科専門の医院に３年間常勤で勤務し、矯正専門医の院長の指導のもと、大学時代よりも多くの患者様を診させていただき、また矯正歯科に関する論文を提出して、日本矯正歯科学会認定医も取得しました。
　その後、前記の矯正専門医院に非常勤で勤務しつつ、複数の一般歯科医院にて矯正治療を担当し、矯正専門医として独立して診療を行うようになりました。
　当時は、まだ開業の事は考えていなかったのですが、ある日、勤務先の矯正歯科医院の院長から、堺市の深井で開業されていた矯正歯科クリニックの院長が急逝されたため、矯正治療を引き継いでくれる歯科医師を探しているとのお話を伺い、大阪大学歯学部の矯正科の教授からもご紹介いただき、治療中の患者様を引き継ぐ形で、同じ場所で開業する運びとなりました。平成１５年２月の事でした。